こんにちは。and,aの中田です。ウェブ解析の仕事を30年近く続けてきました。
先日、こんな話を聞きました。
AIで作った月次レポートを、 数字はきれいに整理されているし、分析の内容、来月の改善施策もOK。 チェックして問題なし。クライアントに提出したとのこと。
ーー3日後、「今月のCVRの計算方法、前月のCVRの計算方法と少し違っていませんか」と指摘された。 間違いに気づいたのは、クライアントでした。 血の気が引きますね。
とはいえ、特別な話ではありません。 AIを導入した現場で、よく起こる典型的な事故です。
「AIに分析を丸投げすれば、月次レポートはもう自分で作らなくていい」 最近、あちこちでこう言われます。
本当でしょうか?
半分は肯定できます。 とはいえ、どこで事故が起こるのかを把握しておかないと、大惨事につながります。
たとえば、自動車の運転を例にすると、 「このあたりの道はスピードを上げた対向車が来そうだな。速度を少し落として、先を見えるようにしておこう」と人間なら考えます。 事故になりそうな予感を持って運転をします。
でも、AIには予感はない。 決められた手順で、順番通りに処理をする。この道は危ない/安全という、経験則が働きません。 (ちょっと別の話ですが、文脈が増えるとAIが「誤読」しやすくなることも!)
AI任せでの事故は、人間なら遭いにくい事故に遭遇する危険性があります。 ですが、AIを他の人が使っているのに自分が使わなかったら、確実に遅れをとってしまう…。
手間を減らしながら、ちゃんと評価される成果を出す。
AIに待ったをかけるのではなく、AIを使うなら、押さえておきたいコツをお届けします。
なぜ、丸投げすると事故になるのか
GA4(Googleのアクセス解析ツール)の画面を、そのままスクリーンショットで撮る。それをAIに「これを分析して」と渡す。
一番よく見る、失敗の始まり。
AIは画像から数字を読み取りますが、グラフの線と数値を取り違えたり、桁を読み間違えたりすることが普通に起こります。 見た目だけは自信満々で、間違った数字のまま分析結果を返してきます。
厄介なのは、それらしく見えること。文章は整っていて、もっともらしい。 だから間違いに気づかないまま、そのままクライアントや上司に出してしまう人がいます。
AIは、自分が間違えていることを教えてくれません。気づくのは、たいてい提出したあとです。 冒頭の場面は、決して大げさな例ではありません。
「下ごしらえ」で、精度が激変
私自身、この1年ほどでたどり着いた結論があります。
分析の精度を決めるのは、AIの性能より、渡し方。
具体的には、こういう「下ごしらえ」をしてから渡すようにしています。
- スクリーンショットではなく、CSVでエクスポートする
- 分析に使わない列は、先に削除する
- 列名(ヘッダー)を、できれば英語に統一する
たったこれだけです。ただ、やるかやらないかで、AIが数字を読み違える確率は大きく変わります。
理由は単純です。画像から数字を推測する作業と、整った表を読む作業とでは、AIにとっての難易度がまったく違うからです。 人間なら「見ればわかる」ことでも、AIは推測の余地が大きいほど間違えます。
「丸投げで楽をする」ために本当に要るのは、渡す前のひと手間。 ここを飛ばすと、手間が減るどころか、間違ったレポートの尻拭いをする羽目になります。
ここまでやれば、分析そのものの精度は上がります。
ただ、月次レポートの仕事は、分析だけで終わりません。 今月どこを見るかという切り口を考え、分析結果を提案書の形に組み上げ、前月までと品質を揃える。 ここは下ごしらえとは別の工程です。
楽をすると評価が上がる
「AIに丸投げすれば楽できる」という言説は、半分は正しい。 定型的な作業から、人の手を離すことはできます。
ただ、渡し方ひとつで、精度もかかる手間も、大きく変わります。 ここを飛ばさない人と、そうでない人。 最初はちいさな差であっても、数ヶ月後は……ご想像におまかせします。
一度ひな型をつくってしまえば、毎月ゼロから思い出す必要はありません。 担当が変わっても、一から教え直さなくて済みます。
私たちは、この「渡し方」から「レポート出力」まで、工程ごと型にして仕組み化するお手伝いをしています。
毎月似たような集計・分析を繰り返している方、お気軽にご相談ください。
注)切り口が毎月変わる案件は、まず現状整理のご相談からになります。
GA4・データ活用についてお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。初回無料です。